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2011.3.30 日常日記

系統

仕事で、ヨーロッパのある国の写真をいっぱい観ているのだけれども、あまりに風景が美しくて、もう旅行がしたくてしょうがない。「世界!弾丸トラベラー」や「アナザースカイ」といった旅番組も、なぜか毎週録画して、仕事終わりに見ている。どこの国に行きたい? という話はよくするんだけれど、正直どこにでも行きたい。友人でもこまめに旅行をする人がいるけれど、素晴らしいことだと思う。そういう風に時間を確保するにも意志が必要なわけだから。

震災の影響で、仕事がひとつキャンセルになった。もちろんとても残念なことなんだけれども、最近の精神状況を考えると、少しほっとしたのも事実だったりして、そのことを正直にメールした。仕事マナー的にはこうした内情暴露的なことが良かったのか分からないけれど、なんとなく伝えたかった。そうすると、相手から「実は自分も同じ状況だ」という返信が来た。こうした人間的な関わりが、ひとつでもふたつでも交わせたことは嬉しかった。

いつも「金麦」を飲んでいるので、たまには違う銘柄をと思い「麦とホップ」を買ってみたけれど、どうも口に合わない。第三のビールで口に合わないケースは、たいていが「ビールでないのをごまかすために無理矢理味をつけている」というものだ。違和感というか。その次からやっぱり金麦に戻すことにした。こうして人の嗜好というのは、知らず知らずのうちに系統立てられていって、色んなものが「いつものもの」で埋め尽くされていくんだなぁ、と思った。

2011.3.28 日常日記

エル・トポはおもしろかった。

最近の停滞の原因は、休むべき日にきちんと休んでいないからだ、と妻に指摘され、それはその通りだと思ったので、仕事も溜まっていたけれど土日は完全に休んだ。お昼からビールを飲んだり、本を読んだり、散歩したりして過ごした。

土曜日の夜は、下高井戸シネマでアレハンドロ・ホドロフスキー監督の「エル・トポ」という映画を観たが、あまりにすごい映画で、見終わった後、しばらく放心状態になった。寺山修司が宗教映画を撮ったというイメージ。やっぱり映画って、「体験」できたとき、感動するのだな。

あと、個人的に前から思っていた、「映画の終盤で火事になる作品はおもしろい」という説は、「エル・トポ」終盤の焼身自殺のシーンで、かなり強固なものになった気がした。これについては、映画をたくさん観ている人たちに意見を聞きながら、もう少し深く分析・分類してまとめたい。

翌日、大学の友人の映画撮影の中間打ち上げに参加して、「エル・トポ」の話をすると、皆これを、大学時代、イメージライブラリという映像図書館で観ていたのだという。僕はこのイメージライブラリは、規則が多かったり、いつも人がいっぱいだったりしたので、あんまり近づかないようにしていた。とは言いながらも、実験映像はTSUTAYAではなかなか借りられなかったので、そういうのを端から観ていたりはしたけれど。松本俊夫監督全集とか、ジョナス・メカス監督の「リトアニアへの旅の追憶」とか、そういうのはそこで観たな。でも「エル・トポ」は見なかった。というか、知らなかったんだな。もったいないことをしていたんだなと思った。

とはいえ、いつだって、作品との出会いは、その出会った日が今日であるということに価値があるとも思う。今週もいくつか映画を見る予定。