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2011.7.29 日常日記

高尾山〜陣馬山


登山などしたことがないのに、誘われて行くことになった。個人的に山には少しトラウマがあったけれども、打ち消し、乗り越えたいという気持ちがあったので、丁度よかった。高尾山から陣馬山というコース。(ルートマップはこちら

登山経験の豊富な方が隊長で、他の参加者は、隊長のお友達、近所の飲み屋さんで一緒の方、それと妻と僕で5人。僕と妻は運動不足がちなので、きちんと歩き通せるのか不安だった。一週間前くらいから、登山靴を買いに行ったり、持ち物を揃えて行ったりと、遠足のような気分。靴は色々なところを回ったけれど、石井スポーツの店員さんが、僕のような初心者をバカにもせず、丁寧に色々教えてくれたので、そこで買った。

当日の天気は曇り。予報では気温は35度ということだったが、高尾山口駅に降りると、そう暑さは気にならない。リフトで上まで登って、歩き始める。きちんと舗装された坂道を登って行くだけで、すでに汗がだくだくである。隊長に「けっこうきついですね」と言うと、「これはスタート地点に行くまでの工程なので、まだ山登りは始まっていない」という旨の冷静な通告を受けてしまった。

高尾山頂から、いよいよスタートということになったんだけれども、思った以上にきつい。隊長の歩き方に注目してみると、かなりのっそり、のっそりと擦るように歩いている。省エネというか、無駄に疲れないように動いているんだなと思って、自分もそのように歩いてみると、なるほどずいぶん楽だ。色んな人から聞くところによると、はりきってぐんぐん歩く人もいるようだが、そういう人は超人でもない限り、それなりにたっぷり休憩が必要になる。結局マイペースに省エネで歩いている人はそれほど休まなくても良いので、総合的な速度では変わらなかったりするらしい。ウサギとカメみたいな話だなと思った。

昼食をとった景信山山頂までの登りが相当キツかった。こうなると精神的な闘いである。ところが登り終えてみると、その到達感が嬉しくて、それまで辛かったという感覚をすぐに忘れてしまった。これはものづくりのときの思考と似ているなと思った。ものが完成した時の喜びといったら無い。あるいは、べつにものづくりでなくても、他の仕事などでもこういうことはあるだろう。そのことを妻に話すと、妻も同じことを考えていたと言った。山登りが普遍的に愛される理由は、このあたりにありそうだなと感じた。お昼ご飯で食べたなめこうどんは絶品だった。梅干しの体力回復効果にも驚いた。

その後、どうにか陣馬山にたどり着いた。だんだん歩き方も慣れてきて、景色を楽しみながら歩けるようになった。見たことのない葉っぱの形や、鮮やかに咲く花などを見ると興奮する。小鳥のさえずりや葉っぱの擦れる音などは音楽として聴けた。

下山が大変だった。登りは精神力で登れたけれども、下山は冷酷なまでに筋力を必要とするなと感じた。もともと筋力がまったくない僕にはかなり過酷な時間だった。経験者は、登りではほとんど体力を使わず、下山時のためにとっておくらしいとも聞いた。なるほど次からはそうしたいけれども、そういう力が自分にあるのかどうか。

何はともあれ山登りは楽しかった。翌日は激しい筋肉痛に襲われたけれども、この痛みも悪くないなと思った。次は尾瀬を歩いてみようと思う。