keisukeoosato.net

2010.11.18 日常日記,

図の体系―図的思考とその表現

1週間ほど前、猫が亡くなったので、生前に撮った写真を親に渡そうと思い、現像に出しに行った。上がってくるまでの間、目の前の古本屋にふらりと入ったら「図の体系—図的思考とその表現」という本が置かれてあって、残金もないのに即購入した。これは古今東西のありとあらゆる「図」を、網羅的に集めて分類、整理した本である。古代ギリシャの地図や、古代ヨーロッパの人間の人生が描かれた樹形図から、家系図、あらゆる種類のグラフ、座標、記号、ピクトグラム等々と、文章を読まずに図だけを眺めていても楽しい。理系寄りの本だが、言語表現と図表現、それと絵画表現のあいまいな関係を、どうにか定義しようとしている。

中古本にありがちなことだが、巻末あたりに手紙がはさまっていて、それには「先日のパーティで話題になった本を献本します、云々」と書かれていた。この膨大な容量の本なら、お酒を交えた歓談の”つまみ”にも最適だっただろう。この本を読んでいると、人間の脳にもっとも最適化されていて、頭にスッと入ってくるのは「図」なんだと思う。何かと何かの複雑な関係性や順序、法則性などを一発で理解するには「図」が最適だ。言語もすばらしい表現方法だが、何らかのフィルターがかかる。絵は観念的すぎる。「図」の目的というのは、大まかな概念を、多くの人に共有してもらうことなんだろう。

この本は、他の本とも一緒に読んでいるので、なかなか読み終わらないけれども、ちょっと時間が空いたときに1、2ページくらい読み進めている。昨日は知らないうちに、この本を枕に、夕方には眠りについてしまった。