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2006.6.2 日常日記

そっくり

はい、何をどうやっても夜19時半に起きてしまう大里です。割と深刻に悩んでます。寝すぎなんですよ、ふつうに14〜15時間くらい寝てしまう。困ったものです。

あの武蔵野美術大学油絵学科の非常勤講師の方の絵が、イタリアの画家の絵にそっくりという事件が話題ですね。僕も似てるなぁ、と思いながら見ています。しかし「鬼の首を取ったり!」という感じの報道を見てるとなんだか落ち込むのもまた事実です。まあイタリアの画家とか、賞を授与した文化庁、所属している国画会が怒るのは、分かるんですが。基本的に似てる似てない、パクリだパクリでないと騒ぐ根底に存在する「正義心」らしきものって、どこから生まれてくるんだろうと思うことがあります。いろいろ考えると、やはり美術教育の部分に重大な問題があるんでないのかと思ったりします。

まぁ今回の絵は、真似されたほうが怒っているし、そういう意味では問題あると思いますが、似てる似てないとかいう正義感から派生する”表現的な規制”って、表現活動にとって、ものすごく重大な損失だと思ったりするわけです。だからこの種のニュースが出てくるとものすごく気になります。昨年の4月に朝日新聞に掲載された、近藤康太郎氏の「オレンジレンジの元ネタ論議」というコラムの一部を最後に引用してみます。

「…『作品』が『作者』へ帰属しなければ落ち着かないという心性は、近代小説以後の、新しい受容のあり方なのだ。<中略>曲を数値化し、『何小節分のメロディが同じだから盗作』と決めていったら、ポピュラーでいい新曲などもう出ないのではないか。せっかく目の前で歌っているのに、その節回しやセンスより、『作者は?』『元ネタは?』とつい考えてしまう耳のあり方は、『近代』の思考の枠組みにあまりにとらわれているからではないか。」

まぁこのニュースでこの話に展開するのは無理があるのは承知です…(笑)