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2008.10.20 日常日記

気狂い×××!

先週は連日連夜、映像の追い込み作業をやっていた。

今回の編集で、よっつとの会話において最も頻繁に出てきた言葉を紹介したい。

栄えある第1位は、もちろん「気狂い」という言葉です。カタカナで書くとキ○ガイです。

夜な夜な、「この映像にこの音楽は気狂いとしか思えない」「このアニメの動きは気狂い沙汰だ」などと、どうしてこんなに美しく道徳的な言葉が何度も何度も口から出てくるんだろうか不思議である。しかもよくよく考えてみると、いま作っているのは子供向け番組なのだ。対象年齢は小学校2年生なのである。いつもニコニコと「ごろう君のやりたいことをやったら良いよ」と言ってくれる、構成台本を書いたアヅマさんも、ある日、あまりに僕らが「気狂い」「気狂い」と言っているのを聞いて不安に思ったのだろう。電話がかかってきた。

アヅマさん「ごろう君、進み具合はどんな感じ? 順調なんだったら、僕は自宅で別の仕事をするつもりだよ」
僕「はい順調です! 特にフランス人形をうどんでいたぶるシーン、かなり気狂いな感じで最高です!」
アヅマさん「……、今すぐ行く!」

このあと僕とよっつは、アヅマさんに、今までのやりすぎ演出を強くたしなめられたのだった。「無理に全部おもしろくしようとしないでいいんだよ!」…確かにその通りだと思った。あのまま進んでいたら、本当にただの気狂いである。

ちなみによく言った言葉2位は「大丈夫、もう日本は終わるんだから」であるが、この話はまた後日。

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話は変わって、高校の友人であるK林が結婚することになった。高校3年間同じクラスだったK林は、僕のめちゃくちゃな言動や行動を、いつもたしなめてくれる存在だった。忘れもしないのが高校2年のとき、文化祭のために、僕が校門に飾る校長先生と教頭先生のリアルオブジェを段ボールで作っていたときのこと。K林も毎日手伝ってくれた。リアルに造形をしたあと、僕が「よし、校長先生の頭を食パンにし、教頭は顔を青くして頭をイカにしよう」と僕が言うと、K林は烈火のごとく怒った。「モデルとして協力してくれた先生方に失礼だ!」と言った。今思うと実にまっとうな主張だった。しかし僕は校長の頭を食パンにし、教頭の顔を青くした。イカにするのは無理だったので、頭を陥没させて中をピンクにして、風船を敷き詰めた。文化祭が差し迫り、教頭がオブジェを見に来た。目の前に転がる、真っ青で後頭部の陥没した、自分がモデルの彫刻作品を目にして、何か思うところがあったのだろう。「これじゃあ、生首じゃないか!」などと激怒してしまった。しまった、K林の言う通りだった。

それから10年、そんなK林の結婚式に向けて、結婚記念のイラストを頼まれた。ふだんはこういうのは引き受けないことにしているのだが、K林はこれまで色々作品も手伝ってくれたり応援してくれたりしたので、恩返しをしたかった。

先の映像編集で忙しい中、構想を練っていたとき、K林から電話があった。

K林「(機嫌よく)おうオオサト、絵はどんな感じ?」
僕「うん、順調だよ。ふたりの頭が半分に割れて、中の脳みそから無数の線が出ていて、それがハートにつながっているピースフルな絵にしようと思ってるよ」
K林「……(絶句)!!」

その後、「どうして俺たちを殺すのか」「嫁さんの家族がなんて思うか」等等、晴れの場にふさわしい作品についてたくさんたしなめられた。僕も「いや、脳みそが露出しているからといって死んでいるとは限らない」「本当は、汗をだらだらかきながら子づくりをしている絵だった、それより表現は優しいじゃないか」などなどと言い返す。その二人の会話は、10年前のあの日となにも変わっていなかった。

2日程度かけ、絵は完成させた。いろいろあったが結果的に、K林が満足できる作品になったと思う。肝心の結婚式はとても素晴らしいものだった。