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2001.9.7 日常日記

ある犬のはなし

午後2時ごろのことだった。


関東自動車学校を出て、南武線沿線道路を自転車でで溝の口駅のほうに走っていた。ふと、線路のほうを向くと、なんと軌道敷内に、犬が倒れているではないか。口からすごい血を流していた。鼓動も早く、ひーひー言っていた。

どうやら、電車にひかれたらしい。しかし、まだ生きていた。ちょうど上り電車のレールの真ん中に倒れている。次に、電車が来れば、確実にこの犬は死ぬだろう。僕は大慌てで自転車を置いて、すぐ近くにある酒屋に駆け込んだ。そして、JRと警察に電話しようと思ったのだ。すると、まわりにいる多くのひとも、みんな駆けつけてくれて、みんなで手分けをして電話した。


警察は、「イヌはヒトじゃないから電車を止める事はできない」と言った。しかし、「いますぐJRに連絡して対処してもらうから、絶対に線路内に入ってイヌを助けるようなことはしないように」と締めくくった。


だから、みんなでJRが電車を止めてくれる事を祈った。5分経ち、6分経ち、上り電車は一向に来る気配が無い。よかった、電車は止まってくれたのだと誰もが思った。あとは、警察が来てイヌを保護してくれるのを待つだけだった。

しかし、電車はやってきた。警笛を鳴らすわけでもなく、スピードを落とすわけでもなく、むしろ加速しながら走ってきた。
イヌは、ちょうどレールとレールの間におさまっていたから、じっとしゃがんでいれば、もしかしたら助かったかもしれない。しかし、すさまじい電車の音でイヌは起き上がっってしまった。そこを電車が通って行った。イヌはぐちゃぐちゃになって死んだ。みんな目を覆った。僕も覆った。みんなで泣いた。あんなむごいことはない。


JRには、ぜひとも電車を止めて欲しかった。もし、JRが、イヌだから、電車は止められないと公務員的に言い続けるのなら、次に同じような事態があったときに迷わず線路内に入った人がいても、僕はおかしいとは思わない。