2004.1.12

バージョン5

ドキュメンタリー「男でつらいよ〜源次郎の恋」は、ついにバージョン5なんてものまでできてしまった。いや、ここにいたる過程は、僕にはずいぶん長く、そして悩み深いものだった。いや、過去形にしている場合ではない。まだ作り直す予感がするから。

今回は、カットの順番をそれまでと大きく変えた。でも、これは作り手の僕だから「大きく」見えるのだけれども、あかの他人から見ればとても些細なことかもしれない。でも作り手というのは、そういう些細なところに甚大な労力を費やすものなのである。うん、きっとそうだ。

でも、例えばAというカットを追加しただけなのに、人によっては「Bというカットが短くなって残念」みたいなことを言う。これは、その人が間違ったことを言っているのではなくて、些細な編集によって全体的な印象が変わるということの典型的な例である。映像作品に限定して言えば、些細な編集の結果の積み重ねが、最終的な見終わった「感じ」に直結しているのだと僕は考えている。また、鑑賞者が前のバージョンを見ているかというのは重要だ。前のバージョンを見ている人の過半数が、前のバージョンを肯定し、変化した部分に違和感を感じる傾向にある。これは実に自然なことだ。誰だって、いつもセブンイレブンがあった場所がある日ローソンになっていたらびっくりする。しかし、一週間もすればそこにローソンがあることは自然なことになる。これは、映像でも一緒である。重要なのは、そこがローソンのほうが良かったか、セブンイレブンのほうが良かったかという、絶対的な問題である。僕は最初の違和感に目をつぶり、そういうことを考えなくてはいけない。

なにを言っているのか分からなくなってきたが、とにかくバージョン5は短くなった。29分20秒である。これは、進級制作バージョンであるバージョン1よりも短い。