2009.8.22

かこーん

今年の夏は過ごしやすい。冷夏だ、日照不足だ、凶作だなどと言われているけれども、過ごすほうとしては今年くらいがちょうどいい。欲を言えば、もう少し雨が降ってもいいかなと思うくらいだ。

あまり暑いと外に行く気も失せてしまうが、今年くらいだと散歩する足どりも軽くなる。おしゃれの仲間入りをすべく、自由が丘をぶらりと歩いていると、あるお店の人から「自由が丘といえば、ヴェニス村だっぺ!!」という情報を聞いた。胸高鳴るまま、カトレア通りの雄大な坂を上っていくと、その村は確かにあった。

こんなにペラッペラな空間を見たのはいつ以来だろうか。運河の水にはゴミが浮き、置いてある船は橋を通れない。たまに下水管みたいな管からボコッボコッと泡が吹き出す。運河の先では、庭師が隣の家屋の庭木の剪定をしている。いろんなことが、実に残念だ。スクーズィ!! アッリヴェデールチ! 僕らはすぐにその場を立ち去った。そうすると、向かいにオシャレな日本家屋があるではないか。古桑庵というらしい。

中に入ると、木造家屋に小さなテーブル、庭もきちんと整備されていて、透明のガラス窓からなんとなく外を眺められる。これは当たりカフェだ。値段もコーヒー500円と、まあ良心的。

同行したアヅマさんは黒みつかなんかのカフェオレを頼んでいたが、曰く「今まで飲んだカフェオレの中で一番うまい」とのこと。カップも良いよね。

僕は抹茶白玉ぜんざいを食べたのだが、この抹茶がとても上品。

この日の朝、待ち合わせ場所で、まるでグータンヌーボみたいな出会い方をした僕らだったが、アヅマさんはひどく怒っていた。マジギレで始まるグータンヌーボなんか見たことない。待ち合わせ場所までの通り道で屋根掃除をしているおっさんが、通行人に消毒液をぶっかけまくっていたのだ。僕もかかってしまったが、人一倍服が汚れることに対して嫌悪感を抱くアヅマさんの場合、被害意識が尋常ではない。しかしここのカフェオレを飲むアヅマさんの表情のおだやかなこと。眉間のしわが一本、また一本と消えていくのだった。

こうしてまたひとつ、僕らはおしゃれの階段を上ったのだと思う。だからもう、アロハシャツなんて合衆国っぽい服は脱ぎ捨てないといけない。

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