「男でつらいよ源次郎の恋」制作回想
そういえば、僕はまだこの仮完成バージョンを誰にも見せていない。
プレ仮完成バージョンは、づけしに見てもらった。しかしづけしは共同制作者だから、自分が見たのと同じことだ。
今日は具体的に、どの段階で「よし、おしまい」と言ったかについて書こうと思う。
そもそも今回の編集は、膨大な量の素材(テープの録音可能時間のみをたすと、なんと44時間!)の中から、いったい何を削るかという作業に他ならなかった。まあ森達也監督の名作「A2」が10000時間くらい素材があったと考えれば、大したことのない作業だったと思うが…。
例えば、一日かけて撮った長いインタビューがある。源次郎がゲイということをどう自覚していったのか、という話は幼稚園の話にまで遡った。その話を分かりやすくまとめて、幼稚園〜25歳くらいまでの話の素材を乗っけて、それが25分以上だったときには、どうしようかと思ったものだ。校長先生の講話じゃないんだし、そんなにたらたら乗っけてどうする?と自分で突っ込みを入れてみたりもした。
大学の友人で、自分の家族のドキュメンタリーを撮っているエノキは、「インタビューばっかで退屈になってしまう」と悩んでいた。源次郎の話はおもしろいが、さすがにそんなに長くは聞けない。課題の時間制約もある。そういうわけで、この「ゲイの自覚」インタビューの、どの部分をチョイスすればいいのか?ということにさんざん頭を抱えさせられた。
そうやって、インタビューの中身をチョイスしていく過程で、どうしても大事なインタビューがふたつあれば、そのどちらかを削らなければならなかったり(ふたつ並べるとくどくなってしまう!!)、またその結果あるインタビューを選ぶと、それに呼応するほかのインタビューの選考基準が変わってしまったりと、なかなかパズルゲームのような悩ましい日々が続いた。その辺のパズルが落ち着いてきたとき、作品の完成というものが頭にちらついたように思う。
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- 似た記事:「男でつらいよ源次郎の恋」制作回想その2 、Kitano par Kitano/東京ふつうの喫茶店 、アンデスの聖餐 、定着するということ。







