2008.2.26

黒猫・白猫/台風クラブ

今日は先日の「春の小川PR映像」の音声収録だった。スタジオで誰にも頼らず演出をするのは初めてで、少しとまどったが、なんとかやりきった。一緒にダメ工房員のよっつが居てくれたことも心強かった。やっぱり、シナリオ書いている段階では「これで大丈夫なの?」みたいな感じがあったが、プロの声優さんに読んでもらうと、シナリオが実体のある物になったように思えて、ちょっと嬉しかった。

黒猫白猫 [DVD]
昨夜はエミール・クストリッツァ監督の「黒猫・白猫」という映画を見たのだが、これがすごく面白かった。ところが、この面白さというのは何と表現していいのかまったく分からない類のものだ。ストーリーは、一言で言うとふたつのカップルが無事成立してハッピーエンド、というぐらい単純で先が読めるものなのだが、その表現力がすさまじい。2時間、ものすごいテンションの高いお祭りに参加したような高揚感があった。もうビジュアル的に胃がもたれるくらい、さまざまな要素を詰め込んでくる。畳み掛けるように踊ったり、歌ったり、わめいたり、走ったり、騙し合ったり、の繰り返しで、なんでこの映画はこんなにごちゃごちゃしているんだろう、と感じるのだが、不思議なことに振り返ってみるとストーリーは単純明快で面白い。そして途中まで誰が誰だか分からない登場人物たちも、それぞれ味があって、魅力的で愛おしいキャラクターなのだと分かってくる。やっぱりバックに流れるジプシー音楽の効果が絶大だと感じる。すべての映像演出が、ハイテンションなジプシー音楽のテンポに合わせて表現されるから、こちらも気持ちよく、その世界観に入っていける。まるで気分のいい夢を見たような気分で、これが映画表現の力か、と感じさせられる。

台風クラブ [DVD]
その後、相米慎二監督の「台風クラブ」を見た。これは中学生たちが台風のなか、校舎に閉じ込められるという話なのだが、この中学生の内面が、台風が近づくにつれ、ちょっとずつ狂ってくる。この作品も大嵐のなか、中学生が裸になって踊ったり、歌ったり、殴ったり、叫んだり、考えたりするのだが、それぞれが思春期の繊細な心理描写になっていて、なんだか切ないのだ。輝ける青春時代を謳歌する異様な高揚感と、得体の知れない不安感、そしてものすごく強い感受性みたいなものがミックスされて表現される。抽象的なシーンも散りばめられていたけれど、この感じ、なんか分かるなあと思いながら見ていた。不思議な映画。

さて、次号『KING』のイラストが大詰め…! がんばります。

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