2006.5.19

悪の国

ニュースや新聞を読み漁っては、いろいろなことをぼんやりと考える。

今さらだけど、イランの問題は気になっている。

すごく個人的な話なんだが、これが対イラクだったら特に関心は無かった。しかしイランとなると事情が違う。なぜなら、僕はイラン映画が大好きだからだ。黒澤明監督が言っていたように、僕はイラン映画でイランという国を知り、その結果、イランのことが、もう愛おしくてたまらないのである。それが例えばそのまま、サッカーのイラン代表チームにも好感を寄せたり、イランに旅行したいなぁと思ったりするに至っている。

しかし核をめぐる諸問題で、たとえば各国が、サッカーのイラン代表チームとの親善試合を実質的にボイコットする、なんていう動きがあったりする。古い話だが、911テロ後には、アメリカ政府がシカゴ映画祭でバフマン・ゴバディ監督の入国を拒否、さらにニューヨーク映画祭で僕の一番好きな監督、アッバス・キアロスタミ監督の入国も拒否している。調べてないが、きっとイランへの旅行にもいろいろと障害があるんだろう。

映画もサッカーも政治と関係ないのに、きっと善悪二元論みたいなのが世の中を覆っていて、もうイランは悪の国なのだ。もちろんイランにも問題はあるのかもしれないが、それが原因で、イランの文化やスポーツが制限されるのは困る。たとえばモフセン・マフマルバフ監督の新作がアメリカの圧力で日本で見られない、なんてことは無いとは思うけれど、なんとなくありそうで嫌だ。イラン映画を見る限りでは、イランは素朴で美しい国で、核開発とか武器輸出とかあったとしても、そこに住んでいる人や文化を、僕は憎めそうにない。そんな僕は映画に洗脳されているだけなのかもしれないけれど。

あと関係ないけれど、公正取引委員会が打ち出した新聞の特殊指定見直しの記事もちょっと気になる。その是非は僕には分からないけれど、新聞各紙が必死に反対していたのが印象に残った。新聞が反対するということは、きっとテレビとかマスメディアはこぞって反対するんだろう(テレビ見てないから分からないけれど)。フジテレビ買収騒ぎのときも思ったけれど、他の組織を守る殻については徹底的に批判するのに、自分のことになると急に保身に回るのだなぁと思った。

繰り返し言うと特殊指定見直し自体の是非は僕にはよく分からない。だから、この件に関しては反対して当然というものなのかもしれない。けれど、この問題でなくても、マスメディアがこぞって保身に回って、自分たちの殻を守ったとしたら、「それって、おかしくね?」っていうような意見って、一体誰が言うんだろうと思う。朝日新聞で公正取引委員会の人の意見を載せていたけれど、両論併記というよりは完全に批判対象としての掲載だったし…。

この疑問の回答は、まあ1つにはインターネットということになると思うのだが、如何せんマスメディアには負ける。だから僕は民放一局くらい、ライブドアに乗っ取られたりして異質な存在になったほうが、筑紫哲也氏がさんざん主張していた「ジャーナリズム」とかいうものは守られるんじゃないかなぁと思ったんだが…。森達也監督の「A2」で、オウム信者と地域住民が仲良くなっているのに、新聞記者はお上の規制でそれを記事にできないというシーンがあって、あれってマスメディアの現状について象徴的に語っているなぁと思ったりしたし…。

まぁ、引きこもりは部屋の中から一歩も外に出ないで、そんなことをうじうじ考えてるってことでした。

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