ちいさな会話
その後、「セミリタイヤした間黒男」のお医者さんのところへは数日に一度、通院している。といっても1分程度、傷の具合を確かめるだけなのだが、ささいな会話が楽しい。
「ケースケは髭が立派だなあ。」
「先生も似合うと思いますよ」
「そうかな? 俺も生やそうかな、えへへ。じゃあ、またおいで。」
このぐらいのやりとりだが、温かい。僕は物心ついたときにはおじいちゃんがいなかったので、おじいちゃんと話すという体験自体が新鮮である。しかしそろそろ、傷は完治してしまう。
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小さなやりとりといえば、毎月集金に来る、ちょっとカモラネージに似てる新聞屋のお兄さんも、来るたびに近況とか、雑談とか、小さなおしゃべりがあった。ところが先日来たときは
「僕、今月で終わりなんです。今までありがとうございました。」
と言われて、寂しかった。カモラネージ兄さんに美術館のタダチケットをもらうまでの会話が、なんだかいつも楽しかったのに。大した話はしていないんだけれども。
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つい最近まで知らなかったのだが、「花王ショック」という本当なのかウソなのか分からない話は興味深い。これは、2003年に花王がテレビの広告費を半減させて、そのぶんを店舗等の販促に使ったところ、今までよりも売り上げが伸びたという話だ。テレビ業界にとって衝撃的な出来事であり、かつ最大のタブーなのだとかなんとか。本当なのかな? そういえばトヨタが、テレビのCMをまったく行なわない車を販売して、それはそれなりに売れたなんて話もあったような。僕もサッカー中継くらいしかテレビを見ないので、納得はできる話なんだが。
…これは、ものの「伝達」ということの意味合いが、少しずつ変わってきていることなのかなあ。かつては大きく大きく広げていったほうが伝わったことが、今はちいさくちいさく、狭くなったほうが伝わりやすくなった。これは何でだろう? 社会環境、通信環境の変化が背景にあるんだろうけれども、興味がある。








